お知らせ

2017年01月24日

ヘクソカズラ

お知らせ , 雑草知識

ヘクソカズラ

 

漢字で書けば、屁糞蔓。
植物の名前にひどい名前は他にもありますが、アカネ科多年草ヘクソカズラほど、ひどい名前はないのではないでしょうか。何しろ、屁と糞であるから最悪です。このヘクソカズラは虫の食害を受けて茎や葉が傷つくと細胞内に蓄積したペデロシドという成分が分解してメルカプタンというガスになります。この悪臭を放つガスで敵を遠ざけているのです。自己防衛機能が悪臭だというのです。動物でいうスカンクのようなイメージでしょうか。

 

そして、気になるヘクソカズラの花言葉は“人嫌い”・・・。

ヘクソカズラ自身が人嫌いだという意味にとれますが、この名前は人間が付けたもの。本当に可哀そうなくらいの言われようです。しかし、熟した実の汁は、天然エキス100%の(皮膚の)保護剤になるそうです。すべてが悪いわけでなく人間の皮膚には優しい側面もあるようです。

 

ヘクソカズラは名前のとおり蔓(かずら)。太陽光発電施設では大変厄介なツル性植物です。ヘクソカズラはアサガオやツルインゲンなどと同様にツルを他の物に巻きつかせ拡がっていきます。施設のフェンスやパネルの支柱など、巻きつくことができるところはどこへでも。はびこってしまったら悪臭に耐えながら除去することになるため、大きくなる前に除去することが重要です。

 

 

参考文献:
・身近な雑草のゆかいな生き方:稲垣栄洋
・ヘクソカズラのにおいを堪能するには http://www.geocities.jp/kinomemocho/sanpo_hekusokazura.html

2017年01月05日

アカザ

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アカザは、人の背丈ほどにもなり、多数の枝を出して茂る大型の一年草で、茎は太く硬く、切り取って乾かすと木のようになります。インドまたは中国原産といわれ、中国では仙人が杖にしたと言う言い伝えがあります。いわゆる「あかざの杖」というのがこれです。杖といえば、普通には樹木の幹や枝を用いますが、仙人の持つ杖がなぜ草であるアカザなのか・・・おそらく、アカザの茎は乾かすと木質化して硬くなり、太さも手頃で杖にもちょうどよい、というところからだと思われます。

 
葉は葉縁に浅い刻みのある菱形で、生長点に近いところの葉は赤紫色に色づきます。アカザの名前も、ここからつけられたようです。赤ではなく白く色づくものがあり、これをアカザに対しシロザといいます。分類学上は、このシロザの方が基本種となっていて、アカザはシロザの変種とされています。
茂ると厄介な雑草ですが、ホウレンソウ(アカザ科)の仲間ということからわかるように、昔から食用にされ、野菜として栽培されていたようです。このアカザは今では雑草ですが、戦時中や飢饉の時には食糧として重宝されたと言われています。

 

 

太陽光発電施設の場合、生えている状態で放置すると、そのまま立った状態で木質化する恐れがあります。必ず敷地から除去することをおすすめします。

 
参考文献:
木のメモ帳 あかざの杖は現在でも存在するか
http://www.geocities.jp/kinomemocho/kiasobi_akaza.html

2016年12月22日

キリ(桐)

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キリ

 

巨大な雑草 … と言いたいところですが、写真は キリ(桐)の幼木です。キリはゴマノハグサ科キリ属の落葉高木。他の樹木よりも生長が早く、 20 年ほどで高さ 8 ~ 15m、直径 40 ~ 60cm ほどの成木になります。樹皮は灰白色で皮目が多く、その材はとても軽くてやわらか。先のとがった広卵形の 20 ~ 30cm にもなる大きな葉が特徴的で、初夏には薄紫色の花を咲かせます。

 
原産は中国といわれていますが、日本でも宮崎県から大分県にかけての山地に自生しています。キリは日本国内で採れる木材としては最も軽く、湿気を通さず、割れや狂いも少ない特性があり、加工しやすいことで有名です。北海道南部から鹿児島に至る広い地域で古くから植栽され、良質の木材として重宝がられてきました。また、伝統的に神聖な木とみなされ、家紋や紋章の意匠にも取り入れられてきました。かつて日本では女の子が生まれるとこの木を植え、結婚する際には、そのキリで箪笥を作り嫁入り道具にするという風習もありました。

 

発生したキリを放置すると・・・
キリの種子には翼(よく)が付いており、風にのったり鳥が運んだり遠くまで広がっていきます。発芽率が高く生長が早いため、気がつかないうちに巨大化していることがあります。太陽光発電施設の場合、パネル下で育っている幼木に気付かず放置してしまうと、パネルを破損してしまう恐れがあるため、定期的な巡回で除去することが重要です。キリの巨大な葉はパネルに影をつくり、発電に影響するだけでなく、根を下ろすことが難しい環境の場合その巨木が突然倒伏する恐れもあるため、見つけ次第、取り除くことが重要です。

 

2016年11月04日

スギナ

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スギナ_画像1

 

” 人の暮らすところにスギナあり” ともいわれるほど、世界各地に分布しており、繁殖力と生命力が強いため、防除しにくい厄介な雑草の一つです。4 月頃から11 月頃までいろいろなところで見ることができるスギナは、シダ植物に属するトクサ科の多年草。地下茎を地下深くまで張り巡らせることから、「地獄草」という呼び名があるほど、昔から農民泣かせの「取りにくいもの」でした。

 
スギナは、他の雑草類に例を見ない地下器官が発達した植物です。“からだ” のほとんどを地下において生活しており、私たちが目にしている“すぎな” はスギナのまさに氷山の一角なのです。つまり、地下部を知らなければ、スギナを理解したことにはならないともいえます。スギナはシダ植物に属するため、種子はつくらず胞子と地下茎(根茎・塊茎)で増える植物です。なかでも、増殖力が強大なのは地下茎(根茎・塊茎)です。特に根茎の増殖力は旺盛でわずか10cm 足らずの根茎から7 ヶ月後に10 メートル以上もの根茎が作られたとの観察記録があるほど。スギナは地中に根を張り巡らせ、どんどん増えながら、あちらこちらで芽を出し、地表へと姿を現していきます。

 

スギナ_画像2

 

農地や草はらが広がる道路の目地部分から一列にスギナが生えているところを目にすることがあると思います。これは道路の路盤層のさらに下に地下茎を伸ばし、目地部分に集中して芽を出したからです。柔らかそうに見える地上部だが、地面から芽を出す力は強く、薄手のシートは簡単に突き抜けてしまいます。

 

ザバーンを突き破るスギナ

 

土中の根茎が切断されると繁殖が拡大・・・
スギナの地下茎は他の地下茎を持つ植物の中でも、特に地中深く侵入し2mの深さまで潜った例もあります。さらに厄介なのは、耕起すると増えるという性質も持っているところです。耕す際に、土中の根茎が切断されるとスギナは再生するため、切断されたスギナの根茎がちりばめられてしまうと、分布が拡大する可能性があります。除草剤によるスギナの防除は6 月頃に散布すると効果が高いとされていますが、地下深くまで地下茎が張り巡らされているため、地下部でつながっている根全てを枯死させることは不可能に近いのが現状です。繰り返し防除を続けることで弱らせることができますが、一旦定着してしまえば、非常に防除困難であり、早期発見、即防除が重要です。

 

 

2016年10月01日

ドクダミ

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ドクダミ

 

ドクダミ科の多年草。独特な匂いが特徴で、個体差はありますが、ちょっと離れた場所にいてもドクダミが生えていることが分かるほどです。このドクダミには抗菌化作用があり、漢方薬やお茶としての利用がされています。

 

日本全国に自生し、溝や水路、道端、住宅周辺など少しジメッとしたところは絶好の生育環境です。太陽光発電施設の場合は、設置位置の低い太陽光パネル下などが該当すると思われます。

 

道端のドクダミ

 

高さ15cm~30cmまで成長し、6~8月にかけて茎の上部に白い花を付けます。深さ40cm程度の地中に地下茎を伸ばして繁殖します。地下で枝分かれしては育ちやすい環境を確保すると、伸びた根が地上に向かって茎となり光を感じることで葉が発生、栄養を根に供給してさらに根を伸長させ増殖していきます。繁殖力が非常に強く、ちぎれた小さな根からでも立派なドクダミに再生するため、防除が難しい雑草です。

 

重機を使った除草や草刈機を使った除草は、最初の見た目は除去した感はありますが、前述したとおり、ドクダミの特徴である地下茎による繁殖方法により、短期間で元の姿に戻るか、それ以上に爆発的な増殖を手助けしてしまうことも考えられます。

 

ドクダミが根を張る深さである40cm程度の表土を根こそぎ取り除き、新たな土を入れ直すことが確実ですが、
太陽光施設内では、そのような工事はできません。ドクダミを何とかしたい場合は、防草シートと除草剤を組合わせ、生えてきたところの駆除を徹底することで、徐々に少なくすることは可能です。

 

以前、お問い合わせいただいたお客様の中には、太陽光施設に生える雑草でビジネスをしたいと熱く語っていた方もいました。

 

採算性が合うのなら…太陽光発電施設で“ドクダミ茶生産”もしかしたら、そういう構想もアリかもしれません。

2016年09月03日

ヤブガラシ

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ヤブガラシ

 

ヤブガラシは、日本国内では北海道西南部から南西諸島まで分布しているブドウ科ヤブガラシ属のツル植物です。ヤブガラシは名前のとおり、藪を枯らしてしまうほど繁茂して覆ってしまうことから名づけられました。別名ビンボウカズラともいいます。

 

道端、荒れ地などに生え、市街地では道路や公園のフェンスなどによく絡まっています。つるの長さは2~3m。巻きひげが伸びて他のものに巻き付き、覆い被さって葉を茂らせます。地下に太くて長い横走根(クリーピングルート)を張り巡らしているため、一旦定着したところでは防除は極めて難しい難防除雑草です。太陽光発電施設の配電盤に容易に入り込み、ショートさせる恐れもあります。

 

通信設備1

 

また、除去が困難な理由は他にもあります。
・実生繁殖による分布の拡大
・機械除草で地下茎が切断された断片が萌芽、活着し分布を拡大
・地上部残渣による分布の拡大

 

抜き取ったり、刈り取ったヤブガラシ類を現場に放置せず、必ず太陽光発電施設から持ち出して処分することが重要です。
※画像引用:

お花の写真集 ヤブガラシ http://www.flower-photo.info/products/detail.php?product_id=537

2016年08月02日

アレチウリ

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こんなところにカボチャが?と一瞬見間違うほど似ている葉を持つアレチウリ。

北米原産のウリ科のツル性植物で、ツルの長さは5~8mにもなります。8~9月頃にクリーム色に薄いスジが入った花を付けますが果実はかわいくありません。トゲだらけの果実が塊となって結実する恐ろしい植物です。

 

1952年に静岡県で発見されてから、30年で関東圏が一大繁殖地となりました。現在は北海道まで到達。名前のとおり、荒地や河川で多く見られるが、巻きひげで他のものに絡みつき、よじ登り、縦横無尽にツルを伸ばします。一株にできるタネの数は5,000~78,000にもおよび、発芽率も70%を超えるとされています。その恐ろしい繁殖能力から、在来植生を破壊するため、法律で特定外来生物に指定されています。

 

雑草学会でも、大きく取り上げられるほど問題となっているのが、耕作地への侵入です。農業生産分野において、甚大な被害をもたらしています。

 

生長は4月から10月ぐらいまで長期にわたり、除草剤による防除が行われた後に出芽したものも問題となります。生育スピードが速く、9月以降に出芽したものは植物体が小さくても開花・結実します。1㎡あたりのアレチウリの本数が少なくても、1株のサイズが大きいため甚大な減収をもたらします。飼料用トウモロコシ畑では1㎡あたり1.5~2本程度で80%の減収、2.8~5本で90-98%の減収となるそうです。大豆畑では壊滅的な被害をもたらし収穫不能となるケースもあります。大変手間のかかる作業ですが、耕作地への侵入初期に手取り除草で徹底防除することが重要とのことです。

 

河川敷に隣接する太陽光発電施設は要注意
大きな川の河川敷にまん延している場合が多くそこから侵入してくるので特に注意が必要です。

 

※特定外来生物に指定されているため、生きたまま植物体を他の場所に運ぶことは規制されています。特に、手取り除草を行う際は植物体を生きたまま移動させることがないよう注意してください。近隣に耕作地がある場合は、被害を拡げる恐れがあるため特に注意しましょう。

 
参考文献:
・誰かに話したくなる雑草のふしぎ 森昭彦 著 P134
・独立行政法人農研機構 中央農業総合研究センター https://www.naro.affrc.go.jp/

2016年07月02日

ススキ

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イネ科の多年草。ススキは日本全土に分布し、古くから放牧地や採草地として重要な役割を果たしてきました。また、屋根葺き用として利用している地域もあり、いろいろな面で日本人に親しまれてきた植物です。しかし、鉄道、高速道路などの法面では、草姿が大型化し視界不良の原因となるため、全国で最も発生の多い雑草として防除の対象となっています。茎は丈夫で直立し、高い位置にも節ができるため高さ1~2.5mにもなります。地下部は中心から外側に向かって1年生茎、2年生茎・・・と順々に形成されて大きな株に生長する植物です。

 

発生したススキを放置すると・・・
太陽光発電施設の場合、巨大化した株は夏から秋にかけてパネルに影をつくる原因となります。特に、堤防の河川道路などはススキが草の壁となり、どこから斜面なのか確認がとりづらくなり、大変危険です。さらに、晩秋、地上部が枯れたあとも、そのままの状態で残ります。強い風により根本付近から折れる恐れがあるため、機器の破損も考えられ危険です。

 

ススキ

 

駆除方法としては、年2回以上の刈り取りを行うことが効果的とされています。ススキは刈り取りや踏みつけなどの地上部の損傷に対して弱いため、6月頃の刈り取りは1年のうちで最も衰退を早めるため有効です。8月~秋1回刈り取りでは生長が維持されるため、1回目は6月に、2回目は秋に刈り取りを行うことが重要です。

 

2016年06月29日

スベリヒユ

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某人気番組で“山形の珍味”として一時期とても注目された植物。それがスベリヒユ。山形では、「ひょう」という名前でスーパーなどの陳列されている野菜の一つです。茹でて芥子醤油で食べる一種の山菜として扱われており、干して保存食にもされているようです。また沖縄県では葉物野菜の不足する夏季に重宝されています。

 

熱帯から温帯にかけて世界中で幅広く分布し、日本全土でも見られる植物です。乾燥耐性があり、畑や路傍など日当たりの良い所に自然に生えます。農業においては畑作の害草として知られ、全般的に執拗な雑草として嫌われる傾向にあります。

 

先の丸い楕円形の艶のある多肉質の葉をつけ、茎は太めでこれも多肉質。株元より枝分かれして、地面にベタッと広がって茂り、枝先によく見ないと解らないくらい小さな5弁の黄色花を咲かせます。葉に艶があり、スベスベしているのでスベリヒユと名付けられたとも、茹でて食べるとぬめりのあるところから名付けられたともいわれています。

 

太陽光発電施設の雑草対策には脅威にならなそうな雑草ですが、周辺に耕作地がある場合は、影響しないよう防除をおすすめします。

 

※自分の畑によく生えているのですが、見つけると写真を撮らずにすぐ引っこ抜いてしまうので掲載する写真がありません・・・

2016年06月03日

ムラサキカタバミ

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ムラサキカタバミ

 

ムラサキカタバミは、カタバミ科カタバミ属の多年草。南アメリカ原産で、1861年頃の江戸時代末期に観賞用として導入されて以降、関東から西日本にかけて広く分布し帰化している。また、環境省により要注意外来生物に指定されている植物です。

 

 

生育環境は限定されず、温帯から熱帯地域であればどこでも生育します。現在では庭園から畑地、芝地を中心に広く見られるほか、石垣の隙間、コンクリートの割れ目、空き地など、何処にでも蔓延っています。

 

背丈は約30cm、地下に鱗茎があり、地上には葉と花柄だけを伸ばします。花期は2~11月と長く、可憐な花を咲かせます。繁殖方法としては、株元の小さな鱗茎を生じ,これが散らばって殖えます。草丈が低く柔らかいため、雑草の刈り取りからほとんど無視されてしまいますが、土の中の鱗茎を取り尽くすのが非常に難しいので、駆除の困難な雑草です。開花が始まった頃が鱗茎の出来るピークなので、そのときに土を深く掘り捨てるしか方法がありません。

 

草丈が低いため、太陽光発電施設の雑草対策には影響しませんが、この雑草を退治するには、根気よく抜き取りを繰り返す以外ないようです。

 

 

参考文献:
国立環境研究所 侵入生物データベース https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/80170.html

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