お知らせ

2015年03月23日

雑草学 種子による繁殖

コラム

土の中にはどれくらいの雑草の種子があるかご存知だろうか?

多くの一年草雑草と一部の多年草雑草の種子が1平米あたり1,000~数 1,000個存在し、これらは“埋土種子集団”と呼ばれている。埋土種子集団が形成されるのは、小粒種子を多数生産すること、種子に休眠性があり寿命が長 いことによる。種子の休眠性は、生育適期に発芽するとともに、間違った時期に一斉に発芽して絶滅するリスクを回避する戦略である。

 

成 熟・落下した種子は、その後数か月の生育不適期を休眠状態で過ごした後徐々に発芽の態勢を整えるが、休眠から完全に覚醒するのは、種子が不適な期間の終了 と好適環境の到来を感知するからである。春に発生する夏雑草では、昼夜の温度格差と光に反応して発芽が促進される種が多い。

 

休 眠が破れても、水分条件、土壌中の位置など何らかの条件で発芽出来なかった種子は、発芽・生育に不適な季節が到来すると、再び休眠(二次休眠)に入り、1 年目と同じことが繰り返される。このように一度生産された種子は、発芽や死亡で少しずつ減少するものの、土中に長く存在する。

 

 

 

 

 

引用文献:シート防草緑化技術ハンドブック(非売品)

監修・編集:マイクロフォレストリサーチ株式会社

発行:株式会社白崎コーポレーション