お知らせ

2016年11月04日

スギナ

お知らせ , 雑草知識

スギナ_画像1

 

” 人の暮らすところにスギナあり” ともいわれるほど、世界各地に分布しており、繁殖力と生命力が強いため、防除しにくい厄介な雑草の一つです。4 月頃から11 月頃までいろいろなところで見ることができるスギナは、シダ植物に属するトクサ科の多年草。地下茎を地下深くまで張り巡らせることから、「地獄草」という呼び名があるほど、昔から農民泣かせの「取りにくいもの」でした。

 
スギナは、他の雑草類に例を見ない地下器官が発達した植物です。“からだ” のほとんどを地下において生活しており、私たちが目にしている“すぎな” はスギナのまさに氷山の一角なのです。つまり、地下部を知らなければ、スギナを理解したことにはならないともいえます。スギナはシダ植物に属するため、種子はつくらず胞子と地下茎(根茎・塊茎)で増える植物です。なかでも、増殖力が強大なのは地下茎(根茎・塊茎)です。特に根茎の増殖力は旺盛でわずか10cm 足らずの根茎から7 ヶ月後に10 メートル以上もの根茎が作られたとの観察記録があるほど。スギナは地中に根を張り巡らせ、どんどん増えながら、あちらこちらで芽を出し、地表へと姿を現していきます。

 

スギナ_画像2

 

農地や草はらが広がる道路の目地部分から一列にスギナが生えているところを目にすることがあると思います。これは道路の路盤層のさらに下に地下茎を伸ばし、目地部分に集中して芽を出したからです。柔らかそうに見える地上部だが、地面から芽を出す力は強く、薄手のシートは簡単に突き抜けてしまいます。

 

ザバーンを突き破るスギナ

 

土中の根茎が切断されると繁殖が拡大・・・
スギナの地下茎は他の地下茎を持つ植物の中でも、特に地中深く侵入し2mの深さまで潜った例もあります。さらに厄介なのは、耕起すると増えるという性質も持っているところです。耕す際に、土中の根茎が切断されるとスギナは再生するため、切断されたスギナの根茎がちりばめられてしまうと、分布が拡大する可能性があります。除草剤によるスギナの防除は6 月頃に散布すると効果が高いとされていますが、地下深くまで地下茎が張り巡らされているため、地下部でつながっている根全てを枯死させることは不可能に近いのが現状です。繰り返し防除を続けることで弱らせることができますが、一旦定着してしまえば、非常に防除困難であり、早期発見、即防除が重要です。